DMはマーケティング活動の一環として取り組んでいる企業も多いですが、どれくらいの効果があるかは気になるものです。この記事ではDMの効果測定に有効な、反応率について解説します。反応率を求める計算方法や、アップさせるポイントも紹介していますので参考にしてください。
DM(ダイレクトメール)の反応率とは、DMを送付した顧客のなかに、商品を購入するなどの行動(レスポンス)を起こした顧客がどれだけいたかの割合のことです。DMによって促せる行動は商品購入だけでなく、資料請求や店舗訪問、インターネット検索など幅広い行動が含まれます。
ただしDMを開封した後の反応や行動のことを指しており、メールを開封したかどうかの割合である「開封率」とは異なります。
反応率とCPRはいずれも効果測定を行うために使われる指標です。反応率はDMによって顧客がどれだけ反応したかの割合を示す指標であることに対し、CPR(Cost Per Response)とは、DMによる反応を1件獲得するためにかかったコストのことです。DMの制作費や発送代などすべてのコストから、反応のあった件数で割ることで、DMのCPR(円)を算出できます。CPRが低いほど、費用対効果の高い施策だったことになります。
DM反応率の計算方法は、以下のとおりです。
【DMの反応率(%)=反応の件数÷DMの発送数×100】
反応率の割合が高いほど、多くの顧客の反応が得られた、つまりDMの効果が高かったといえます。
DMの反応率は一般的に以下のとおりが平均値といわれています。
不特定多数を対象としたDMやチラシの場合:0.5~1%
既存の顧客を対象としたDMやチラシの場合:5~15%
DMの平均的な反応率を把握しておくことで、反応率がよかったどうかを判断するのに役立ちます。
参考:日本政策金融公庫「売り上げアップにつながるチラシ・DM作成術」
DMの反応率を上げる6つのポイントを紹介します。
DMの反応率を上げるためには、ターゲットを明確に設定する必要があります。反応率の平均値からもわかるように、不特定多数に向けた情報を発信するよりも、商品やサービスにニーズがあるターゲットを絞ったほうが効果はあります。
そのため、自社の顧客や見込み客のデータを活用し、年齢や性別、職業などの属性はもちろん、趣味嗜好や行動履歴、興味関心などを基にターゲットを的確に設定することがポイントです。
DMに魅力的な企画を盛り込むことも、反応率に影響します。たとえば、「次回来店時に○○をプレゼント」「○月中の購入で○%オフキャンペーン」「お友達の紹介で○円分のクーポン進呈」など、キャンペーンやイベントなどの企画を盛り込みましょう。顧客にとって魅力的な企画であれば、店舗の訪問やWebサイトへのアクセスなどの反応が起こりやすくなります。
ターゲットが知りたくなる仕掛けを入れることもポイントです。ターゲットを明確にしてパーソナライズされた最適な情報を届けることで、反応率が上がる可能性が高まります。たとえば居住地から近い店舗のキャンペーン情報や、購買履歴から関連する商品情報を掲載すると、興味や関心を引きつけやすくなります。
DMの反応率を上げるために、デザインを工夫することも大切です。たとえばはがきだけでも定型はがきやA4サイズなどの定形外はがき、往復はがきなど複数の選択肢があります。定型はがきであれば簡単に目を通しやすく、往復はがきでアンケートを収集するなどの活用も可能です。
また封書であれば、自社のサービスや商品、ターゲットに合わせたデザインを採用し、訴求したい内容を強調することで開封してもらいやすくなるでしょう。
DMは送るタイミングも重要です。DMを受け取るタイミングが悪ければ反応率が低下する恐れがあるため、ニーズが高まる時期を見極めて発送することがポイントです。顧客の誕生月やシーズンイベント、連休前、ボーナスなどのタイミングに合わせると反応率の上昇が期待できます。企業向けのDMであれば、決算、予算計画、新規採用、補助金申請など、業界の動向を考慮するとよいでしょう。
SNSやLPに誘導させることも、DM反応率につながるポイントです。あまりに情報を盛り込みすぎると読む気がなくなる可能性もあるため、掲載量のバランスが重要です。DMは訴求したい内容にしぼって簡潔な情報を掲載し、詳細の情報はSNSやLPに誘導します。簡単にアクセスできるようにQRコードを載せておきましょう。
DMは発送する都度、反応率をみて効果測定を行い、改善を重ねることが大切です。DMを企画する段階から、DMの反応率を上げるポイントを意識して制作にとりかかるようにしましょう。