メルマガ(メールマガジン)とはメールマーケティング手法の一つであり、見込み客や顧客に対して定期的にメールを送信して情報を届けるものです。認知向上や販売促進、顧客との関係構築などの効果を見込めるため、多くの企業が取り組んでいます。この記事では、メルマガの送り方や事前に準備すること、そのほか注意点について解説します。
まずメルマガの配信手段は、大きく分けてメーラーの「BCC送信」を使う方法と「メール配信システム」を使う方法の2種があります。
BCC送信は普段使用しているメーラーで、顧客の宛先をBCCに入れて送信する方法です。ほかの顧客のアドレスを非公開にして一斉にメール配信が行えます。
一方、メール配信システムは、大量のメールを一斉配信できる専用のシステムです。スケジュール通りに配信する機能や、メール開封率の効果測定ができる機能などさまざまな機能があり、プランによって導入コストも異なります。
【メリット・デメリット】
| BCC送信 | メール配信システム |
メリット | 導入コストがかからない 誰でも簡単に配信できる | 大量メールをスピーディに送信 効果測定ができる メルマガ配信のための機能が充実 |
デメリット | 情報漏洩のリスクがある スパム判定を受けやすい | 導入コストがかかる |
メルマガには、「テキストメール」と「HTMLメール」の2種の配信形式があります。テキストメールは文章のみで構成した形式であり、HTMLメールは画像を貼付したりテキストを装飾したりとデザイン性の高いメールを作成できる形式です。
【メリット・デメリット】
| テキストメール | HTMLメール |
メリット | 簡単に作成できる 受信者の環境に左右されずに届けやすい | デザイン性が高く訴求力のあるメルマガを配信できる 開封率を確認できる |
デメリット | HTMLメールより訴求力が低い 開封率は確認できない | 作成のノウハウが必要 受信者の環境によっては届かない 容量が大きく表示に時間がかかる |
メルマガ配信のために必要な事前準備について解説します。
メルマガを配信する顧客のメールアドレスを収集する必要があります。そのためには会員登録のタイミングでメルマガ購読の可否を確認するなど、顧客メールアドレスを収集する仕組みを構築しなければなりません。
メルマガを配信するために、仕組みや体制を整えることも大切です。メール配信システムの導入検討や、メルマガの企画・運用を担当する人材配置などを進めます。
メルマガを配信するターゲットの設定も重要です。年代や性別、職業、趣味嗜好、居住エリアなどのターゲット像を明確にすることで、ニーズに沿った価値ある情報を発信できます。
ターゲットの設定ができたら、どのようなコンテンツを届けるかを決めます。ユーザーの興味や関心の高い情報を配信することで登録解除や離脱を防ぎ、読んでもらいやすくなります。
メルマガを送る際の注意点とポイントについて解説します。
メルマガを送るにあたり、「特定電子メール法」を理解しておかなければなりません。特定電子メール法とは迷惑メールを規制するために設けられた法律です。メルマガ配信で押さえておくべきポイントは以下のとおりです。
メルマガを送ることについて、受信者から事前に同意を得る必要がある
メルマガ配信の同意を得ていても、受信者からメルマガの配信停止の申し出があれば即時配信を停止する
メルマガには送信者の名称や住所、電話番号、メールアドレス、URLなどの情報を表示する
メルマガ内に配信停止を選択できるように、リンクなどを記載する
受信者の同意なくメルマガを配信することや、配信停止の要望があるのに送り続けることは違法行為にあたります。もしも違反した場合は、当事者に1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科され、法人の場合は当事者が罰則を受けることに加え、3,000万円以下の罰金が科されます。
そのため名刺から顧客リストを収集するケースや、配信停止を手動で管理しなければならない場合は十分な注意が必要です。
メルマガは定期的に配信することで効果が高まります。あまりにも配信する数が少なかったり頻度が不定期だったりすると、メルマガの存在感が薄まり成果につながりにくくなります。迷惑にならない程度の頻度で、決まったタイミングで配信するのがポイントです。
またメルマガを配信する曜日や時間帯にも配慮することが大切です。ターゲットの行動を想定して開封される可能性が高い時間を狙います。たとえば日中働いている方であれば、昼休みや通勤時間帯などがメール開封率は上がるかもしれません。試行錯誤を重ねながら、適切な配信頻度やタイミングを見極めましょう。
メルマガは法的ルールに注意することと、効果を高めるための定期的な配信が重要です。事前準備をしっかり行い、適切に取り組むことで高い効果が期待できるでしょう。